青い鳥


幸せの青い鳥ともいいますが、私の祖父は青い鳥を飼っていました。

名前は知りませんが、とても綺麗なだったのを覚えています。
羽は綺麗な深い青、ところどころ黒や緑の線も入っていました。

竹の大きな籠の中で1匹だけいて、少し寂しい印象も受けました。
竹の籠は祖父の手作りです。

愛されていたんですね。
鳴き声は聴いたことがありません。
ただ私の顔をじーっと見ているだけでした。

あまり動きもせず、まるでおもちゃの鳥のようでした。
生き物という感覚がありませんでしたから。

私が小さい頃でしたので、指をカゴの中に入れると手を噛まれて大泣きしてしまいました。
餌をもらえると思ったんでしょうか。

当時の私はその青い美しい鳥よりも、屋根の上にたくさんとまっているスズメのほうがよっぽど可愛らしいと思っていました。

よく動いてよく鳴いて大勢の仲間と飛んでいる姿はとても見ていて気持ちが良かったのです。

それに引き換え青い鳥は無機物のようです。
私は最初こそ綺麗と思ったけれど、特別な感情はもてませんでした。

「幸せの青い鳥」なんてあるけれど、どこも幸せそうではないです。

でもその青い鳥が亡くなった時、確かに祖父は悲しそうな顔をして埋めていました。

亡くなって悲しいということは存命している時、たしかに幸せはそこにあったのだなと思いました。

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