ピアノ


保育園くらいの時、母に連れて行ってもらったピアノの塾。

いつの間にか始まったピアノは、小さい私にとって「たたけば音の出る楽しいおもちゃ」だった。

先生の部屋にあるピアノは大きく堂々と黒く輝いていた。

もちろん自分用に買ってもらったピアノも大好きで、その時好きだったアニメのシールを貼って自分の物だと自己主張していた。

日に日に譜面のページ数が増えていって、理想通りに動いてくれない手に苛立ちながら練習をしていた。

でも、先生に見せる日には思うように動く手と軽くたたける鍵盤が大好きだった。
自分の何倍も大きい先生のピアノが、言う事を聞いてくれているみたいで嬉しかった。

もちろん逆もある。
あんなに練習したのに今まで間違えたことのない場所で失敗する・・・そんな時の鍵盤の重いこと。

中学に行く頃になると、部活動が忙しくなりピアノに触れない日が多くなった。

最近になって、昔と同じ場所にある埃をかぶった私のピアノを見つけた。

今までそこにあったのに忘れてしまっていた私のピアノは、相変わらずきれいな音を出してくれた。

私の指は昔のように滑らかには動いてくれないけれど、「ねこふんじゃった」は弾くことができた。
ずいぶん動きの遅い「ねこ」だったが、まだ覚えていることに喜びを感じたし、変わらず奏でてくれるピアノに愛情が甦った。

もう一度ピアノを始めようと、懐かしい曲の書かれた譜面を買った。

この古い親友を新しい家族にも紹介する予定です。

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