うさぎのくるちゃん


 中学生のとき、家に茶色のうさぎがやってきました。

鼻のあたまが白くて小さいうさぎで、名前はジェリクルと付け、くるちゃんと呼んでいました。

一番かわいがっていたのは父で、よく話しかけたり膝に乗せたりしていました。

くるちゃんはとても元気な子で、ケージの中で飛び回ったり、かじり棒をあげるとすぐにばらばらにしてしまったりしました。

私はテスト勉強の時など、くるちゃんに教えるということにして勉強の復習をしていました。

(ハンムラビ法典は厳しいね、など)
「ではくるちゃん、単子葉類はどちらでしょうか。
こっちなら右、こっちなら左を向いて」
 とか言ったり、友達のあまりいない変な子だったと思います。

そして偶然正解の方を向くと、
「くるちゃんは、世界一賢いうさぎだね」
と喜びました。
これは高校生まで続きました。

 くるちゃんは、決まったラビットフードしか食べませんでした。

ある日いつものメーカーのものがなくて別のものを買ってくると、目の前に置いても食べず、じっとしています。

母はおなかがすけば食べるんじゃないかと言いましたが、2日間食べず、なんだかやつれてきたので、急いでいつもの物を買ってきました。

そのうちにそのメーカーのものが店頭に並ばなくなり、お取り寄せをするようになってしまいました。

 私は一人暮らしをすることになって、くるちゃんと会うこともあまりなくなりました。

時々帰省すると、年をとったのかあまり動かなくなったくるちゃんが当たり前のようにいて、くるちゃんはこのままずっとここにいるものだと思っていました。

ある日父からメールがあり、くるちゃんが死んでしまったことを知りました。

もう10年以上も生きていて、人間にするとかなりの長生きでした。

私は泣きませんでしたが、いつまでも実家に帰ればいると思っていたくるちゃんがいないのは、なんだか変で、寂しくなりました。

くるちゃん、私の一人ごとにつきあってくれてありがとう。

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